小池百合子 カイロ大学「超法規的」卒業の闇「恩返しとしてエジプトに多額のカネを…」【浅川芳裕×郷原信郎】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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小池百合子 カイロ大学「超法規的」卒業の闇「恩返しとしてエジプトに多額のカネを…」【浅川芳裕×郷原信郎】

小池百合子

 

外国勢力を日本の選挙に介入させたのは大問題

 

郷原:もう一つ、そもそもの問題として小島氏の告発によって小池氏サイドが文言を考えたことが明らかになりました。そうすると、この脅迫めいた文言も震源地は小池氏ということになりますね。

 

浅川:はい。結果的に外国勢力を日本の選挙に介入させてしまった、これは重大な問題です。共謀罪に問えるレベルの行為だと私は思っています。

 

郷原:浅川さんはここが最大の問題だ、と。当時を振り返ると、都知事選に立候補する際に学歴詐称疑惑が持ち上がり立候補できるかできないかギリギリの状態に小池氏はなった。私と黒木さんはFCCJで会見を開き疑惑を追及しようしましたが、エジプト政府まで使って声明を出し、その動きを封じました。結果的に選挙に立候補することができたと。これはやはり問題ですよね。

 他国の例として、2016年のアメリカ大統領選があります。トランプ氏が当選しましたが、ロシア政府が介入して対抗のヒラリー・クリントン氏に不利な情報を流し、世論操作をしたと言われています。この時はトランプ氏が依頼したものではないと言われていますが、小池氏の場合は自ら導いていますよね。このように外国勢力を選挙に介入させることは、国際法に照らして違法なのではないかという指摘もあります。このことはもっと日本のメディアが報じるべきですよね。

 

浅川:その通りです。トランプ氏の時は、自分たちが証拠を持っているわけではないのに、「トランプとロシアは共謀している」と日本メディアは垂れ流していたのに。今回は、元側近の証言という形で相当な証拠が出てきている。これは全ての日本メディアが、もっと追及すべき問題だと思います。必要であれば、私もエジプト現地の情報提供などしたいと思っています。といってもそういった依頼はほとんど来ませんから、そもそも調べる気がないんだなと思います。

 

郷原:日本のメディアは、カイロ大学のことだけでなく、エジプトという国の本当の姿を知る浅川さんの話をもっと聞くべきです。この問題に対して日本メディアはこれまで何もしていないに等しい。

 

浅川:第一歩としては、カイロ大学に「だけ」入学を認める権限がある、とした議会での答弁のことなど、攻めやすいところから追及していくのが良いのではないでしょうか。大統領令には、「カイロ大学の入学・編入に関しては、極度の必要性並びに不測の事態が生じた場合、エジプト大統領の権限で文部大臣の決定により入学・編入させられる」(エジプト大学組織法87条)と書いてあり、大統領にも入学を認める権限があります。ですので明確に虚偽答弁をしたと言えます。

 

郷原:これは重要なポイントですね。あらためて都議会でどなたかに質問していただきたいですね。

 

浅川:日本メディアの皆さん、恐れずに追及していきましょう。

 

(YouTube【ジャーナリスト浅川芳裕氏と語る小池百合子氏学歴詐称「カイロ大学声明」の本質】より、抜粋・一部加筆・編集)

 

◾️浅川芳裕(あさかわ・よしひろ)

1974年、山口県生まれ。ジャーナリスト。エジプトの私立カイロアメリカン大学中東研究学部(1992〜1993年)、国立カイロ大学文学部東洋言語学科(セム語専科ヘブライ語専攻)中退。アラブ諸国との版権ビジネス、ソニー中東市場専門官(ドバイ、モロッコなど)、『農業経営者』副編集長などを経て、『農業ビジネス』編集長。著書はベ ストセラー『日本は世界5位の農業大国』(講談社新書)、『ドナルド・トランプ 黒の説得術』(東京堂出版)ほか多数。訳書に『国家を喰らう官僚たちアメリカを乗っ取る新支配階級』(新潮社)。中東・イスラム関連記事では『「イスラム国」指導者の歴史観』『なぜ増える? イスラム教への改宗』(いずれも『文藝春秋スペシャル』)などがある。弊社刊『カイロ大学   〝闘争と平和〟の混沌』(ベスト新書)がロングセラーに。

  

◾️郷原信郎(ごうはら・のぶお)

1955年生まれ。弁護士(郷原総合コンプライアンス法律事務所代表)。東京大学理学部卒業後、民間会社を経て、1983年検事任官。東京地検、長崎地検次席検事、法務総合研究所総括研究官等を経て、2006年退官。「法令遵守」からの脱却、「社会的要請への適応」としてのコンプライアンスの視点から、様々な分野の問題に斬り込む。名城大学教授・コンプライアンス研究センター長、総務省顧問・コンプライアンス室長、関西大学特任教授、横浜市コンプライアンス顧問などを歴任。著書に『「法令遵守」が日本を滅ぼす』(新潮新書)、『検察の正義』(ちくま新書)、『検察が危ない』(ベスト新書)、『“歪んだ法”に壊される日本 事件・事故の裏側にある「闇」』(KADOKAWA)、『「単純化」という病 安倍政治が日本に残したもの』(朝日新書)など著書多数。

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浅川芳裕著『カイロ大学 〜〝闘争と平和〟の混沌』

\待望の大重版//

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〝闘争〟と〝混乱〟が生み出す世界最強のカイロ大学

 筆者がカイロ大学のオリエンテーションを受けたとき、担当者からいわれた最初の言葉は「混乱の世界へようこそ!」です。実際、カイロ大学のキャンパスで実体験した混乱の根は想像以上に深いものでした。そんな混乱を経験済みのカイロ大学出身者の共通点は、乱世に強いことです。カイロ大学は世界に混乱をもたらす人物と平和を求める出身者が混在しているのが特徴です。どちらの側につくにしても、両者の間では死ぬか生きるかの思想闘争が繰り返されています。混乱と闘争という学風を持つカイロ大学が彼らの人生に、学びの園という領域を越えた影響を与えているというのが本書の主題です。

 

ようこそ〝闘争〟と〝混乱〟の世界へ

〝エジプトの東大〟その思想と実学とは

 

◉世界最強の大学といわれる理由

◉カイロ大卒の世界のエリート知識人たち

◉多くの日本人が学んだ学部とは

◉交渉術は必須科目

◉単位取得・運転免許も交渉次第

◉カイロ大学とカイロ・アメリカン大学の違い

◉カイロ大留学のメリットとは etc.

 

浅川芳裕(あさかわ・よしひろ)

1974年、山口県生まれ。ジャーナリスト。エジプトの私立カイロアメ リカン大学中東研究学部(1992 〜1993年)、国立カイロ大学文学部東洋言語学科(セム語専科ヘブライ語専攻)中退。アラブ諸国 との版権ビジネス、ソニー中東市場 専門官(ドバイ、モロッコなど)、『農業経営者』副編集長などを経て、『農業ビジネス』編集長。著書はベ ストセラー『日本は世界5位の農 業大国』(講談社+α新書)、『ドナルド・トランプ 黒の説得術』(東京 堂出版)ほか多数。訳書に『国家を喰らう官僚たち ─アメリカを乗っ取る新支配階級─』(新潮社)。中東・イスラム関連記事では『「イスラム国」指導者の歴史観』『なぜ増える? イスラム教への改宗』(いずれも『文藝春秋スペシャル』)など がある。弊社刊『カイロ大学   〝闘争と平和〟の混沌』(ベスト新書)がロングセラーに。

 

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あさかわ よしひろ ごうはら のぶお

◉浅川芳裕(あさかわ・よしひろ)

1974年、山口県生まれ。ジャーナリスト。エジプトの私立カイロアメリカン大学中東研究学部(1992〜1993年)、国立カイロ大学文学部東洋言語学科(セム語専科ヘブライ語専攻)中退。アラブ諸国との版権ビジネス、ソニー中東市場専門官(ドバイ、モロッコなど)、『農業経営者』副編集長などを経て、『農業ビジネス』編集長。著書はベ ストセラー『日本は世界5位の農業大国』(講談社新書)、『ドナルド・トランプ 黒の説得術』(東京堂出版)ほか多数。訳書に『国家を喰らう官僚たちアメリカを乗っ取る新支配階級』(新潮社)。中東・イスラム関連記事では『「イスラム国」指導者の歴史観』『なぜ増える? イスラム教への改宗』(いずれも『文藝春秋スペシャル』)など がある。弊社刊『カイロ大学   〝闘争と平和〟の混沌』(ベスト新書)がロングセラーに。

  

◉郷原信郎(ごうはら・のぶお)

1955年生まれ。弁護士(郷原総合コンプライアンス法律事務所代表)。東京大学理学部卒業後、民間会社を経て、1983年検事任官。東京地検、長崎地検次席検事、法務総合研究所総括研究官等を経て、2006年退官。「法令遵守」からの脱却、「社会的要請への適応」としてのコンプライアンスの視点から、様々な分野の問題に斬り込む。名城大学教授・コンプライアンス研究センター長、総務省顧問・コンプライアンス室長、関西大学特任教授、横浜市コンプライアンス顧問などを歴任。著書に『「法令遵守」が日本を滅ぼす』(新潮新書)、『検察の正義』(ちくま新書)、『検察が危ない』(ベスト新書)、『“歪んだ法”に壊される日本 事件・事故の裏側にある「闇」』(KADOKAWA)、『「単純化」という病 安倍政治が日本に残したもの』(朝日新書)など著書多数。

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  • 浅川 芳裕
  • 2017.12.09